川崎市、多摩市、横浜市、稲城市、大田区、目黒区、世田谷区の皆さんこんにちは。

川崎市高津区のくらた動物病院の院長倉田です。今回は、フェレットの肥満細胞腫の症状や治療方法について解説いたします。

 

〇フェレットの皮膚に見られる黒い小さな塊

フェレットの皮膚に急に黒い小さな塊が付着していることを発見することがあるかもしれません。

これらの黒い小さな塊は、血液が乾燥して固まったもので、その下には赤い血液が見られることがあります。

これは、皮膚表面からの出血が原因であり、発見時にはほとんどの場合、出血は止まっています。

 

〇心配される原因と真の原因

飼い主は、フェレットが怪我をしたか、または他のフェレットに咬まれたかもしれないと心配するかもしれません。

しかし、これらの症状の最も可能性の高い原因は肥満細胞腫であり、

これは比較的小さな、肌色の濃い腫瘤として皮膚表面に現れます。

 

〇肥満細胞腫について

肥満細胞腫は、免疫細胞の一種である肥満細胞の良性の腫瘍です。

この腫瘍は炎症を起こすヒスタミンや血液の凝固を阻害するヘパリンを含んでおり、

これらが外に放出されることで、皮膚の赤みや腫れ、時には出血を引き起こします。

しかし、出血は滲み出る程度で、やがて自然に止まります。

 

〇経過観察の重要性

過去には腫瘍治療として早期の切除やステロイドの塗布が試みられましたが、

現在は、頻繁な出血の有無や腫瘍の増大の有無に注意しながら、原則として経過観察が行われています。

フェレットは、この良性の腫瘍によって赤く腫れても痒がったり痛がることは少なく、

腫瘍が大きく増大することもほとんどありません。

 

〇獣医師の診察の重要性

皮膚に異常を発見した場合、異なる原因が考えられるため、

まずは獣医師の診察を受けることを強くお勧めします。

投稿者: くらた動物病院