フェレットは、遊び好きで人懐っこい性格が魅力的な動物です。その愛らしい姿に魅了され、ペットとして飼育する人が増えています。しかし、フェレットはデリケートな消化器系を持っており、下痢を起こしやすい動物でもあります。川崎市、多摩市、横浜市、稲城市、大田区、目黒区、世田谷区近隣にお住まいの飼い主様の中には、愛フェレットの下痢に悩まされている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

この記事では、フェレットの下痢の原因と対処法について、詳しく解説していきます。獣医師としての知見も交えながら、具体的な事例や対策方法をご紹介いたしますので、ぜひ最後までお読みください。


【目次】

1.フェレットが下痢になる原因
2.フェレットの下痢に対する対処法
3.フェレットの下痢を予防するために
4.まとめ


フェレットが下痢になる原因

フェレットの下痢は主に以下のような原因で起こります。

  • 消化不良
  • ストレス
  • 細菌叢のバランスの異常
  • 寄生虫感染
  • 腫瘍

これらの原因によって引き起こされます。原因を特定し、適切な対処法をとることで、フェレットの健康を守ることができます。
原因と具体的な事例を一緒にご紹介させていただきます。
ご家族の状況に当てはめて、原因を一緒に探っていきましょう。
※あくまで参考としてください。何か異常があれば、まずは獣医師にご相談のうえ、獣医師の指示に従った対応をお願いいたします。

1. 消化不良によるフェレットの下痢

フェレットは肉食動物であるため、高タンパク・高脂肪の食事が適しています。しかし、野菜や果物、穀物などの消化が苦手です。これらの食べ物を与えすぎると、消化不良を起こし、下痢を引き起こす可能性があります。

具体的な事例

飼い主Aさんは、フェレットに野菜を多く与えていました。しかし、フェレットは野菜を消化することができず、下痢をしてしまいました。

対策方法

  • フェレットには、フェレット専用のフードを与えるようにしましょう。フェレット専用のフードは、フェレットの消化器官に合わせて作られているため、消化不良を起こしにくいです。
  • 野菜や果物、穀物は、フェレットに与えないようにしましょう。どうしても与えたい場合は、少量にして、様子を見ながら与えるようにしましょう。

2. ストレスによるフェレットの下痢

フェレットは、環境の変化やストレスに敏感な動物です。引っ越しやケージの交換、新しいフェレットの導入、旅行、病院への訪問など、さまざまなストレスが下痢の原因となることがあります。

具体的な事例

  • 飼い主Bさんは、引っ越しをしました。引っ越し先では、フェレットのケージを置く場所が変わりました。フェレットは環境の変化にストレスを感じ、下痢をしてしまいました。
  • 飼い主Cさんは、新しいフェレットを迎え入れました。先住フェレットは、新しいフェレットにストレスを感じ、下痢をしてしまいました。

対策方法

  • フェレットにストレスを与えないように、環境を安定させることが大切です。
  • 引っ越しやケージの交換をする際は、フェレットに十分な注意を払い、安心できる環境を作ってあげましょう。
  • 新しいフェレットを迎え入れる際は、徐々に先住フェレットと接触させるようにしましょう。
  • 旅行や病院へ連れて行く際は、フェレットが安心できるよう、慣れたタオルや毛布などを用意してあげましょう。

3. 腸内細菌叢のバランスの異常によるフェレットの下痢

フェレットは、腸内細菌叢のバランスの異常によって下痢を起こすことがあります。いわゆる悪玉菌が過剰に増殖することで発生します。

悪玉菌の増殖は消化不良により発生すると言われており、消化不良はあらゆる消化管の異常で発生します。

過食やストレスでも発生しますし、何らかの疾患により消化能力が低下しても発生します。

悪臭の強い下痢便を排泄している場合には、腸内細菌叢の異常が発生している場合が多く見られます。

対策方法

  • 検便により悪玉菌の増殖が確認された場合には、適切な抗生物質を投与します。

4. 寄生虫感染によるフェレットの下痢

フェレットは、寄生虫に感染することで下痢を起こすことが稀にあります。特に、コクシジウム症ジアルジア症は、代表的な原因です。

寄生虫に汚染されているものを経口摂取することで感染しますので、多くの場合にはフェレットが集団でいる環境下で感染します。

 

5. 腫瘍によるフェレットの下痢

フェレットは、腫瘍が原因で下痢を起こすことがあります。特に、リンパ腫消化管の腫瘍は、フェレットの下痢の原因となることがあります。

リンパ腫

リンパ腫は、フェレットのリンパ系に発生する悪性腫瘍です。全身に転移しやすく、消化管に転移すると、下痢や食欲不振などの症状を引き起こします。

消化管の腫瘍

消化管の腫瘍は、フェレットの胃や腸に発生する腫瘍です。腫瘍の種類や発生部位によって、さまざまな症状を引き起こします。下痢や血便、嘔吐、食欲不振などの症状がみられることがあります。

具体的な事例

飼い主Fさんのフェレットは、リンパ腫と診断されました。リンパ腫は消化管に転移しており、フェレットは下痢や食欲不振などの症状を示していました。

飼い主Gさんのフェレットは、消化管の腫瘍と診断されました。フェレットは、下痢や血便などの症状を示していました。

対策方法

  • 腫瘍が原因で下痢を起こしている場合は、腫瘍の治療を行うことが必要です。
  • 腫瘍の治療には、外科手術、化学療法、放射線療法などがあります。
  • 獣医師と相談し、ご家族に最適な治療法を選択しましょう。

6. その他の病気によるフェレットの下痢

上記以外にも、フェレットはさまざまな病気によって下痢を起こすことがあります。例えば、インスリノーマ、副腎疾患、食物アレルギーなどが、下痢の原因となることがあります。

フェレットの下痢に対する対処法

フェレットが下痢を起こした場合は、まずは動物病院を受診し、原因を特定してもらいましょう。自己判断で対処すると、症状が悪化したり、病気が進行したりする可能性があります。

動物病院での診察

動物病院では、以下の検査があります。

  • 問診: 飼育環境、食事内容、症状の経過などを詳しく聞き取ります。
  • 身体検査: 体温、心拍数、呼吸数、粘膜の色、腹部触診などを行います。
  • 糞便検査: 糞便中の寄生虫や細菌などを検査します。
  • 血液検査: 貧血、炎症、肝臓や腎臓の機能などを評価します。
  • 画像検査: レントゲン検査や超音波検査を行い、消化管の状態や腫瘍の有無などを確認します。

対処方法の例

検査結果に基づき、獣医師は適切な対処方法を提案します。以下は、一般的な対処法の例です。

  • 食事療法: 消化しやすいフードへの変更、絶食、水分補給などを行います。
  • 薬物療法: 抗生物質、駆虫薬、止瀉薬、消化管運動調整薬などを処方します。
  • 外科手術: 腫瘍の摘出などを行います。

ご家庭でのケア

動物病院での治療と並行して、家庭でも以下のケアを行いましょう。

  • 安静: ストレスを軽減するため、静かで暗い場所にケージを移動しましょう。
  • 保温: 体温が低下しやすいので、ケージに保温器具を設置したり、タオルなどで包んであげましょう。
  • 清潔: ケージやトイレを清潔に保ち、二次感染を防ぎましょう。
  • 食事: 獣医師の指示に従い、消化しやすいフードを与えましょう。
  • 水分: 脱水症状を防ぐため、新鮮な水をいつでも飲めるように用意しましょう。

 

フェレットの下痢を予防するために

フェレットの下痢を予防するためには、以下のポイントに注意しましょう。

1. 食事管理

  • フェレット専用のフードを与え、高品質な動物性タンパク質を摂取させましょう。
  • 野菜、果物、穀物、人用のお菓子は与えないようにしましょう。
  • フードを隠す習性があるため、定期的にケージ内を確認し、古いフードを取り除きましょう。
  • おやつは控えめにし、与える場合はフェレット用のおやつを選びましょう。

2. 環境管理

  • ケージ内を清潔に保ち、トイレはこまめに掃除しましょう。
  • 温度管理を徹底し、暑さ寒さからフェレットを守りましょう。
  • 適切な広さのケージを用意し、運動不足にならないようにしましょう。
  • ケージ内や部屋の中に危険な物を置かないようにしましょう。

3. ストレス軽減

  • 環境の急な変化は避け、フェレットに安心できる環境を提供しましょう。
  • 過剰なスキンシップや大きな音はフェレットにストレスを与えるため、注意しましょう。
  • 十分な睡眠時間を確保し、フェレットがリラックスできる環境を作りましょう。

4. 健康管理

  • 定期的な健康診断を受け、早期発見・早期治療に努めましょう。
  • ワクチン接種を行い、感染症からフェレットを守りましょう。
  • 寄生虫対策を行い、フェレットの体内外寄生虫を駆除しましょう。

5. 異物誤飲に注意

フェレットはゴム製品や発泡スチロールなどを誤飲する可能性があります。これらの物はフェレットの届かない場所に置き、誤飲を防ぎましょう。

万が一、誤飲してしまった場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。

まとめ

フェレットの下痢は、さまざまな原因で起こる可能性があります。日頃からフェレットの健康状態をよく観察し、少しでも異変に気付いたら、すぐに動物病院を受診しましょう。

早期発見・早期治療が、フェレットの健康を守る上で非常に重要です。

くらた動物病院では、フェレットの診療に力を入れています。豊富な経験と知識を持つ獣医師が、丁寧な診療を提供しています。フェレットの下痢について何かご心配なことがございましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

フェレットに関する
その他の記事はこちら

投稿者: くらた動物病院